奥武蔵の紅葉ハイキング5選
埼玉県南西部に広がる奥武蔵は、標高300〜800m前後の低山や丘陵からなり、紅葉の見ごろは例年11月上旬〜12月上旬。標高や場所によって約1カ月間、コナラやカエデ類、ヤマザクラなど木々の彩りを楽しめる。写真・文=佐々木 亨(山岳ライター)
1 高山不動尊・顔振峠(たかやまふどうそん・かあぶりとうげ)
高山不動尊(たかやまふどうそん|埼玉県飯能市)は、飛鳥時代の創建と伝わり、山伏の修験道場として栄えた奥武蔵の名刹。境内には樹齢800年と推定されるイチョウの大樹が今も根を張り、秋の黄葉が美しい。
足もと一面に散り敷かれた落ち葉のじゅうたんも見事。奥ノ院をまつる本堂北側の山頂は、関八州見晴台の名で親しまれ、文字通り関東一円を眺める展望を楽しめる。
南斜面には明るい山里が広がる顔振峠(かあぶりとうげ|埼玉県飯能市・越生町)は、奥武蔵の山並みと富士山を眺望するビューポイント。地元では「こうぶりとうげ」とも呼ぶ人も多い。
その昔、源義経、弁慶主従があまりの展望のよさに、顔を振り振り登ったとの言い伝えがある。峠には古くからの茶店が軒を連ね、思い思いのスタイルで奥武蔵に通うハイカー、ランナー、ライダーらが集う。
紅葉の見ごろ 例年11月中旬〜下旬
モデルコース 西武秩父線西吾野駅〜高山不動尊〜関八州見晴台〜傘杉峠〜顔振峠〜西武池袋線吾野駅 コースタイム約5時間20分
2 天覧山(てんらんざん)
飯能市街にほど近い天覧山(てんらんざん|埼玉県飯能市)は、地元の人々に親しまれている標高197mの里山。古くは愛宕山の名があったが、明治天皇がこの山から軍の演習を統監したことから天覧山と呼ばれるようになった。
天覧山の登山口ともなる南麓の能仁寺は庭園が美しく、とりわけ秋の紅葉が見事。奥武蔵では、もっとも遅くまで紅葉を楽しめるスポットのひとつ。能仁寺は、幕末に渋沢成一郎率いる辰武軍が本陣を置いたことでも知られる。
紅葉の見ごろ 例年11月下旬〜12月上旬
モデルコース 西武池袋線飯能駅〜中央公園〜天覧山〜多峯主山〜吾妻峡〜飯能駅 コースタイム約3時間30分
3 嵐山渓谷(らんざんけいこく)
嵐山渓谷(らんざんけいこく|埼玉県嵐山町)は、比企三山と数える堂平山、大霧山、笠山をはじめとした外秩父の山々から水を集める槻川の岩畳と木立が美しい景勝地。
林学者で、「公園の父」といわれる本田静六博士がこの地を訪れ、京都の嵐山の風景に似ていることから「武蔵国の嵐山」と名付けた。休憩舎のある見晴台や塩沢冠水橋付近が紅葉のベストスポット。
紅葉の見ごろ 例年11月中旬〜下旬
モデルコース 東武東上線小川町駅〜仙元山〜大日山〜小倉城跡〜嵐山渓谷〜東武東上線武蔵嵐山駅 コースタイム約5時間
※各コースの登山・ハイキングにあたっては、事前によく下調べをして、体力・経験・装備・天候等の面で無理が生じないよう、余裕のある計画を立てて楽しんでください。
※参考ガイドブック=『増補改訂版 詳しい地図で迷わず歩く 奥武蔵・秩父500km』佐々木 亨著 山と溪谷社
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